実利の追求

近年、科学技術の発展と共にデータを重要視する野球に変わってきている。
データ、すなわち、情報量の違いが競技の勝敗を左右するまでになってきた。
データや様々な情報を入手するために費やす時間が増える一方、本当に大事なところに費やすべき時間がなくなってはいないかと省みる必要はあると思う。
いつも頭の片隅にはデータが全てではないということは忘れてはいけない。

ボールスピードを簡単に測定することができるようになり、投手はボールスピードを意識するようになった。
時折、スピードコンテストをしているかのような錯覚に陥ることがある。
もちろん、何キロ投げたいという目標を設定して、練習のモチベーションを高めるために使うことは大切だろう。
また、自分の現在位置を知るために絶えずボールスピードを計測することも大切だろう。
しかし、投手の本質を見失ってはいないだろうか?
投手の目的は、速いボールを投げることではなく、打者を打ち取ることだ!
極論を言えば、打者を打ち取るという目的を達成する投手であれば、ボールスピードが何キロであっても関係がない!
打者を打ち取るためにボールのスピードを高めるという目的があった上で、ボールスピードにこだわるならば問題はないと思う…

実利の追求と書いたが、ある投手にとっては、ボールスピードにこだわるよりも、変化球に磨きをかけた方が打者を打ち取る上で実利的かもしれない。
先生は目的は目的だとおっしゃったが、データや情報を活用する際には何が目的なのかという部分をハッキリさせておかなければならないと思う。
決して手段と目的が反転することがないように…

指導者として、選手たちに目的は何かをいつも省みる姿勢を身に付けることができるようにしてあげたいと思う。
一層「実利」を意識し、追求しながら今日も練習に向かう…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA