公立高校が甲子園で優勝

2007年夏のこと…

高校野球界は特待生問題等で学校スポーツとしての野球の在り方を問われていた。
そんな中、公立高校である佐賀北高校が甲子園で優勝を果たした。

決勝戦での戦いが佐賀北高校を象徴するかのような試合だった。
8回裏、4点のビハインドを背負っていたが、1アウト満塁のチャンス。
そこで2番打者が四球を選んで1点を返す。
さらに後続の3番打者が、なんと、ホームラン!!!!!
大逆転劇で佐賀北が優勝旗を手にしたのだった!

さて、佐賀北高校の部室にはこんな詩が飾ってあるそう。

「ピンチの 裏側」   山本よしき 詩
神様は 決して
ピンチだけを お与えに ならない
ピンチの 裏側に 必ず
ピンチと 同じ 大きさの チャンスを
用意して下さっている
愚痴をこぼしたり
ヤケを起こすと
チャンスを 見つける目が曇り
ピンチを 切り抜ける
エネルギーさえ失せてしまう
ピンチは チャンス
どっしり かまえて
ピンチの 裏側に
用意されている
チャンスを 見つけよう

佐賀北ナインが神様を信じて呼び求めたのかどうかは分からないが、少なくとも日々の活動の中で目にしたこの「言葉」が彼らに影響を与えたことに間違はないだろう。

先生は「ホームランはひたすら神様」とサインしてくださったことがある。
この逆転満塁ホームランは神様が共になさったしるしとして私は記憶したい。

野球のための人生ではなく、人生のための野球

この夏に涙を流した球児たちへ

「本当にお疲れさま!」
心からまずそう伝えたいです。
数万の困苦を味わいながら今日ここまでやってきたのを私自身の経験からも分かります。

さて、野球に没頭していると、自分の人生が野球のための人生であるかのように錯覚してしまいます。
私もそうでした…

私はよくアスリートたちに問いかけます(野球選手の例)。
「もし今大けがをして野球ができなくなったらどうする?」
「野球をしていなかったら今の自分ってどうなっていたと思う?」
そうすると、皆、回答に行き詰ってしまいます…

 

<間違った思考をして行なうこと>は、
まるで運転する人がハンドルを違う方に回して
続けてスピードを出すことと同じだ。
(チョンミョンソク牧師の箴言より)

 

人生、野球だけを考えて生きるのは、正直、間違った思考です…
もちろん、高校野球に没頭するなと言っているわけではありません。
野球だけを考えて生きることに一石を投じているのです。

高校野球が終わり、ひと段落ついた今この時、少し立ち止まって自分の人生について考えてほしいです。

ユニフォームを脱いだ自分と向き合って、自分の個性は何だろうか?自分の生きる意味は何だろうか?と少し考えてみてほしいと思います。

そうして人生の根本の問いに対する答えを見つけて、人生を歩んで行ってほしいと思います。