【2021年全国大会0日目】親元を離れて

親元を離れてもう何年になるだろうか。
高校から寮生活だった私は今年で18年になった。

選手たちは親元を離れて暮らす経験がほとんどない小学生たち。
まだ小学生なのだから当然と言えば当然。
今回の遠征は、大会での試合結果にもよるが、最低でも10泊は親元を離れて生活することになる。
今回の遠征を通して、子どもたちが親という存在について考える機会になると思う。
いつも、当たり前のように側にいる存在。

あったものがなくなると人はその存在の貴重さに気づくようになる。
一生分からずに死ぬこともある。

 

私が初めて親元を離れて3ヶ月が経った時のことを思い出す。
電話口で父親の声を久しぶりに聞いた時に涙した経験がある。

ホームシックなんてかかるわけがないと思っていた。
1ヶ月目に新入生は1週間帰る機会が与えられていたが、私はまだ何もしていないのに帰っても意味がないと思い、帰らなかった。
(ホームシックにかからないようにするための対策だったのだが)
強がっていた。

今から飛行機に乗って出発する。
なぜか初めて親元を離れる時のようだ。
家族をおいていく心情は何とも表現し難いものだ。
奥さんの労苦を考えると心が痛い。
しかし、行くべき道は行かねばならない。

今回の遠征を通して、精神的にもまた一段階成長する機会になることを願い、綴る。

21.10.6./12:04 済州島に行く飛行機の中で

コロナ下において3か月ぶりの野球の大会を終えて

先日、約3か月ぶりに大会が開催された。

いつ大会が開催されるか分からない、練習だけを続ける毎日に正直心が折れそうだった。
待ちに待った大会の会場に行く道中のバスの中で文章を綴ったものを紹介する。

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出発して3時間30分が経過した。
久しぶりに大会に参加する。
あと30分ほどで会場に到着する。
3か月前の大会では惜しくも4強入りを逃したことが思い出される。
コロナ下で試合に向けての十分な準備ができたわけではないが、最善は尽くしてきた。
どんな状況下だとしても「心と思いと命を尽くす」ということを先生は教えてくださった。
その精神でここまでやってきたことに自負心を持って、自信を持って戦いたいと思う。

大人数を乗せたバスが上り坂を移動する際にはギアを下げてゆっくりと上っていく。
これと同じく、難しい試合展開においては一つ一つゆっくりと試合展開に合わせて動かないといけない。
決して慌てず、浮き足だつようなことはせず、一つ一つゆっくりと。
これが今日のポイントになりそうだという霊感を受けた。
さあ、試合前の祈りに入ろう。

2021/09/11/14時51分

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久しぶりの試合は2-1で勝利することができた。
まさに、試合前に霊感を受けた通り、一つ一つ慌てずプレーすることが非常に重要な試合展開だった。
我がチームも、相手チームも塁死が目立った。
ライナーで帰塁できず…無理して次の塁を狙ってアウト…
浮足立ったプレーによって互いにチャンスを潰してしまい、流れが行ったり来たりした。
決定的なシーンは無かったが、投手陣がよく踏ん張った結果が勝利につながった。
アウトを一つひとつ積み重ねた結果だったと回想する。

今大会は残念ながら三回戦で敗退した。
負けた試合は1イニングにミスが3つ続き、5失点した結果、1-5だった。
一つ一つ慌てずプレーすることの重要性に改めて気づかされた。

我が摂理の野球部員には甲子園に名を連ねる強豪校でプレーしていた選手が多く存在する。
先日のオンラインの集まりの中で「凡事徹底」という共通項が話題に上がった。
強いチームは何か特別なことをしているわけではない。
当たり前と思われることをしっかりと徹底的にこなしている。
これが実は非常に難しいことだ。
対象が小学生となると尚更だ。

コロナ下で練習を思う存分にできない状況が続く。
そんな限られた環境下で特に「凡事徹底」することを大切にしながら取り組んでいきたいと思う。

次の大会まで残り3週間…