人の記憶というものは非常に曖昧だ。
過ぎた日のことを考え、思い出そうとしてもなかなか上手くいくものではない…
しかし、記録というものは非常に正確だ。
いつどこで誰が何をしたか、そして、その時自分はどうだったのか、記録を見れば分かる。
選手たちには絶えずメモを残すように教育している。
野球ノートを作って日々学んだことや指導を受けたことなどを書き込んでおけば、たとえ忘れたとしても、見返せば思い出すことができるからだ。
なぜ過ぎた日のことを忘れるなとおっしゃったのか?
過ぎた日に犯した間違いを再び同じようにしてしまうからだ。
これが一番恐ろしいことだ。
負けて悔しい思いをした。
また同じようにミスをして負けたらどれほど悔しいだろうか?
伝道の書3章15節
今あるものは、すでにあったものである。後にあるものも、すでにあったものである。神は追いやられたものを尋ね求められる。
すでにあったもの、すなわち、過ぎた日のことを忘れなければ、現在どのように処したら良いのか分かるということだ。
初めて優勝した時のことだ。
その時までに優勝を3度逃していた。
決勝で涙を飲んだことに対して先生は「準優勝は優勝の条件になる」とおっしゃってくださった。
その言葉を胸に4度目の決勝に臨んだ。
過去3度の決勝での戦いが思い出された。
カウントを取りに行く球が甘く入ってホームランを打たれた過ぎた日を思い、初球から厳しく攻めた。
最終回に勝負を急いで逆転された過ぎた日を思い、最終回には慌てずにボール球を有効に使って攻めた。
過ぎた日を忘れずに行なった結果、優勝を掴むことができたのだった!
全て野球ノートに記録しておいたがゆえに、過ぎた日を思い返して試合に臨むことができたのだ。
記憶よりも記録だ。
野球ノートを活用して、記録に残し、過ぎた日を忘れないようにすることを願う。