【2021年全国大会2日目】試合前に大事故

大がつくほどの事故が試合前に起きた。

その事故はキャッチボール中に起きた。

ある選手の頭部にボールが直撃したのだった。

帽子のつばにかけていたサングラスにボールが当たり、サングラスのレンズが外れ、額に突き刺さった。

額からは大量の血が流れた。

すぐに圧迫止血し、病院に直行。

6針を縫う始末になった。

大きく逸れたボールを捕球しに行ったところ、隣のキャッチボールのボールが当たったのだった。

普段からキャッチボールをする際には十分に横の選手との間隔を開けるように教育をしており、今回のキャッチボールの前にも、そして、キャッチボール最中にも教育した…

しかし、事故は起こった…

横の選手とは同時に投げてはいけないこともも何度も教育した…

それでも事故は起こった…

 

「自ら気をつけなさい。」

この御言葉が脳に骨に刻み込まれていなければ、少しでも気を緩めたその瞬間に事故は起こる。

神様の御言葉は命の御言葉だ。

不幸中の幸いという言葉は使いたくないが、しかし、本当に不幸中の幸い、命を落とすことはなかった。

 

ひとりの選手を病院に送った状態で試合に入った。

試合中、私は切実に祈った。

試合のことよりも怪我をした選手のために。

早く治るようにと祈った。

彼が無事に戻ってきて、彼と共に試合ができることが一番の喜びだから。

 

怪我をした彼の穴は皆が埋めた!

試合においては勝利することができた!

 

試合後、ホテルでケガをした選手の姿を見て皆が安堵した。

 

不測の事態はいつ何どき起こるかわからない。

それが重要な試合前ということもあり得る。

 

私自身も中学の時、試合前にケガをしたことがあった。

公式戦で先発を任され、試合前の投球練習のためにブルペンへ向かう途中だった。

雑草で側溝に気付かず、足を踏み外して挫いてしまった。

試合前にテーピングをガチガチに巻いて臨んだが、4回途中で降板。

次の日から3週間ほど治療とリハビリに励んだ。

 

何度も何度も戒めなければならなう。

耳にタコが出来ても教育しなければならない。

「自ら気をつけなさい。」と。

【2021年全国大会1日目】ストレスによるものか…

ある選手が嘔吐した。
コロナ下、敏感な時期であるがゆえに心配したが、軽い腸炎だった。
病院に行って点滴をうち、お粥を食べ、試合を除き、最大限別行動で体調を整え、回復に成功した。
なんと、その選手のいとこが遠征先に住んでいたという奇跡。

神様は事毎に助けてくださるとおっしゃったが、人を通して助けてくださる神様の御働きに感謝感激した。

幼い選手たちに対し、全国大会という大舞台で平常心で戦いなさいと要求することは酷だ。
親元を離れ、普段とは全く違う環境の中で試合をこなしていかなければならないためどれほどストレスがかかるだろうか…

このようなストレス下の中でもプレーすることを通して精神的に何倍も何十倍も大きく成長することができる。
一回戦は、下馬評では五分五分と言われていたようだが、コールドで勝利することできた。
100持っている力を100出せるようにしてあげられるように工夫を凝らすのが我々指導者の役割だと思っている。
私はいつも選手の肩の荷物がおりるように声かけをしている。
特に孤独を感じる投手に対しては「マウンドに行ってキャッチボールをすると思えば良い」と声かけをしている。

ストレスに強い選手は、数々のストレスを経験し、そのストレスと対峙し合ってきた選手。
全国大会という大舞台は強度の高いストレスだと思うが、そのストレスの中で選手たちが強くなることを願うばかりだ。

今大会、どこまで勝ち上がることができるのだろうか、乞うご期待。

2021/10/07 10時49分 ホテル内で

【2021年全国大会0日目】親元を離れて

親元を離れてもう何年になるだろうか。
高校から寮生活だった私は今年で18年になった。

選手たちは親元を離れて暮らす経験がほとんどない小学生たち。
まだ小学生なのだから当然と言えば当然。
今回の遠征は、大会での試合結果にもよるが、最低でも10泊は親元を離れて生活することになる。
今回の遠征を通して、子どもたちが親という存在について考える機会になると思う。
いつも、当たり前のように側にいる存在。

あったものがなくなると人はその存在の貴重さに気づくようになる。
一生分からずに死ぬこともある。

 

私が初めて親元を離れて3ヶ月が経った時のことを思い出す。
電話口で父親の声を久しぶりに聞いた時に涙した経験がある。

ホームシックなんてかかるわけがないと思っていた。
1ヶ月目に新入生は1週間帰る機会が与えられていたが、私はまだ何もしていないのに帰っても意味がないと思い、帰らなかった。
(ホームシックにかからないようにするための対策だったのだが)
強がっていた。

今から飛行機に乗って出発する。
なぜか初めて親元を離れる時のようだ。
家族をおいていく心情は何とも表現し難いものだ。
奥さんの労苦を考えると心が痛い。
しかし、行くべき道は行かねばならない。

今回の遠征を通して、精神的にもまた一段階成長する機会になることを願い、綴る。

21.10.6./12:04 済州島に行く飛行機の中で