【扉を開けるカギ】の第11話は野球の指導をする中で行き詰りを感じていた野球指導者の話。
「無くて七癖」と言われるように、各選手たちは「癖」を持っている。
例えば、バッティングにおいて、手首を早く返してしまう(こねてしまう)選手。
あるいはステップ足が開いてしまい、身体が早く開いてしまう選手。
彼はそのような選手たちの癖を見ながら、何とかしてすぐに直そうとありとあらゆる方法を試し、四苦八苦していた。
野球の指導に携わる多くの人たちも、おそらく、選手の癖を見ると何とかして直さねばならないと使命感を抱くことだろうと思う。
しかし、その種の「癖」はなかなか直らない。
彼は、ある選手を前にして、練習ごとに「癖」を直そうと試みていたが一向に上手くいかなかった…
そんな時、チョンミョンソク牧師のヒトコトが彼の「扉を開けるカギ」となった!
どのようなヒトコトだっただろうか?
“안 되는 것은 놔두고 되는 것을 먼저 하여라”
“できないことは置いておいて、できることを先にやりなさい”
チョンミョンソク牧師はこのヒトコトをもう少しかみ砕いて話してくださった。
《試験を受けているとき難しい問題があって、そればかり解こうとして時間を全部使ったら、易しくて分かる問題も解けず、試験の時間が終わって試験に落ちます。
だから各自差し迫ったことをするとき、難しいことが生じたら置いておいて、まずできることだけをやってください。そのほかはそのままやり過ごさなければなりません。》
「癖」を直せるのに越したことはない。
しかし、その「癖」を直すこと、そのことばかりに心血を注いでいては、他の練習が全くできなくなってしまう。
その「癖」を放置するという話ではない。
その「癖」に度が過ぎるほどに気を取られて他の上手くやれることにまで支障をきたすことがあってはならないということであり、先に他の上手くやれることをやった後で対峙するということだ。
彼は【扉を開けるカギ】を受け、それ以降の指導に大いに役立てているという。
また、他の上手くやれることをやっている間に「癖」が気にならなくなってくることが多々あることに気づいたそうだ。
彼に限らず、野球の指導現場で悩む多くの野球指導者たちに、このチョンミョンソク牧師のヒトコトが【扉を開けるカギ】となることを信じて止まない。